近年、CADシステムや3次元対話型システムなどにおいて、3次元空間を自由にコントロー ルできるようなインタフェースが望まれている。これに対して、オペレータの手や頭な ど体にセンサを付けて、センサの位置や姿勢情報を計測して、3次元空間の操作を行なわ せる研究が進められている。一方、画像処理を用いることによって、センサを用いるこ となく、オペレータをカメラで撮影することによってユーザの手の位置を計測し、ヒュ ーマンインタフェースに用いようとする研究も進められている。
ところで、人間が3次元空間に対して行なう操作には、3次元位置を指示する以上に、3次 元方向に物を平行移動させたり回転させたりする3次元空間中での運動が、より頻繁であ る。このため、画像処理をヒューマンインタフェースに用いるためには、手や顔など明 確な形のわかっていない物体の3次元運動を認識することが必要となってくる。十分な精 度で結果を得ようとすると、大きなデータ量と計算量が必要になり、認識結果をすぐに 必要とするヒューマンインタフェースに利用するのは難しかった。そこで、4つの特徴点 から定性的な情報しか得られないが、安定して運動を認識できるアルゴリズムが提案さ れた。
そこで、定性的な情報を扱うならば、より少ない2点を用いても運動を認識できるのでは ないか、また、より簡単な装置を用いて実現できないかと考え、本研究に着手した。